うちの塾の中3生の一人が通信制高校に行こうかなと言い出した。
その生徒は全然勉強もしないし、夏休みも全く自習にも来ない、課題も宿題も何も出さない。
何度も声を掛けてもやってこない。
いわゆる勉強がとにかくやりたくないからやってこない生徒。
授業は真面目に受けるのだが、授業以外の時間は本当に自分から勉強をする事をしない。
恐らく通信制高校に行こうと思ったのも、勉強をこれから頑張る気もないから、楽な道を選んだのだと思う。
ただ、僕は通信制高校に行くことは反対した。
通信制高校の先生に美辞麗句を並べられて、その気になっているのだが、はっきりと伝えた。
『あなたが通信制高校に行くべきではない。十中八九、卒業後の未来は明るくない。やりたいことが見つけられる3年間になるとは思わない。』
とね。
もう少し言葉は柔らかく伝えたけど、大筋はほぼ一緒。
やむを得ない状況で通信制に行った子供達を見たことが僕にはある。
現在進行形で見ている。
そこを見た上での感想だ。
全日制の学校に今現在通えている生徒が、何の目的もなく、何かを探しに行くために通信制高校に行くべきではない。
通信制高校の全てが悪いとは思わない。
だけど玉石混合だ。
いいかげんな通信制高校もある。
そして、何よりも良くないと思うところは、学校に行くことを強制されない事だ。
毎日通い放題コースにしたって、それで通う生徒なんか僅かだ。
特にしたいことが無い生徒なんか、サボって学校に行かなくなるのがオチだ。
一般的な中学生が、ただ自由な時間を与えられたとしても碌な時間の使い方は出来ない。
中学生で頑張ってこなかった生徒が高校生になって、急に何かが出来るとは思わない。
全ての事は地続きだ。
今日出来たことがあるから、明日出来ることが増えていく。
逆に今まで出来なかった、努力してこなかった事が、急に明日から出来るようになる事なんて無い。
そんな事、空想の世界でしかない。
だから、通信制高校には簡単には行ってほしくない。