塾生も交えた保護者面談で、塾生がぽろっと出した言葉。
『他の塾では先生ごとの対策プリントがあるんだって』
正直、動揺した。
やはり他の大手塾は凄いなと。
うちもその真似をしようかと思った。
でも、今は思い悩んでいる。
やるべきか否かを。
確かに、先生の問題の傾向を知っておくと勉強がしやすい。
どのような問題が出やすいのか。逆にどのような問題が出にくいのか。
それが分かれば、どのような問題にテスト勉強の時間を割けば良いのか分かる。
効率良く勉強が出来る。
勉強嫌いの生徒や効率を求める生徒にとっては非常に美味しい情報だ。
うちの塾は、基本的には勉強嫌いな生徒が多く来ている。
だから、そのような情報を集積して子供達に伝えられることは非常に有益なものとなる。
だけど、それをする事による弊害もある。
結局、そのような勉強しかしていない生徒は急な変化に対応できなくなる可能性がある。
例えば、テストを作る先生が新任の先生で、傾向が全く分からない。
だから勉強が出来ませんでした。という状況が作られてしまう。
もう一つ。
効率を重視するのは大事な事だが、学校のテスト勉強レベルで出そうな所をピックアップして勉強する事に慣れると、受験勉強の時に困る可能性が高い。
受験勉強だって傾向はもちろんあるが、基本的に満遍なく出される。
そして満遍なく出される試験を子供達は3月に受ける事になる。
そのような状況を考えると、先生ごとの過去問傾向対策をする事によるデメリットが存在する。
僕の気持ちとしては
『先生ごとの対策など無意味。先生による対策に踊らされるのではなく、今やるべき事、学校の問題集を3周やったり学校からもらったプリントを全部やり切っていれば問題ない。むしろ、それくらいの力を付けないと今後駄目だ』
です。
だけど、勉強が苦手な生徒は多い。
僕の考えは理想論に過ぎず、目の前の生徒は点数を取る事に固執している。
学校のワークを3周もやれる生徒は少ない。
だったら、塾としてはそのような対応を取った方が子供達のためになる。
僕が相手にしている生徒たちのレベルを考えたら、そのようにする利点もある。
ブログを書きながら、考えの整理がついた。
僕は先生ごとの対策はしない。
今はそれで行こう。
ただ、その理由は生徒たちにしっかり伝えた上で、だ。
生徒からもらった大事な意見。
自分の中だけで終わりにしない。