ほとんどの塾は、その建物を自習室として開放しているところが多いと思う。
その自習室を使っている生徒達の様子を見ていると、手がスラスラ動く生徒と全く動かない生徒、のろのろ動く生徒がそれぞれいる。
この中で、やはり問題になるのが”手が全く動かない生徒”です。
ここは教室に自習に来ても、手が全く動かない。
だから、ただ教室にいるだけの無為な時間を生徒が過ごしてしまう。
保護者の方からすれば、『自習に行かせたのに全然進んでないじゃん!』となり、『塾で見てくれてないじゃん!』になりかねないので気を付けなければいけません。
だから、このような生徒に対して、どのように指導をしなければいけないのかを考えなければいけない。
この全く手が動かない生徒は4種類の生徒に分けられます。(僕が見てきた範囲の生徒ですが)
①スマホなどの気が逸れるものがあり勉強に手が進まない生徒
②分からない問題ばかりで手が進められない生徒
③睡魔に抗いきれず手が動かせない生徒
④その他
①と③については、対処が比較的簡単です。
①のスマホについては、教室にいる間は一時的に預かれば良いです。
③は、そもそもの睡眠不足になった原因を確認します。ほとんどが前日夜遅くまで活動をしていた事がほとんどなので、生徒に注意を促したり保護者に連絡をして情報を共有出来ればOKです。
問題になってくるのが②と④です。
②に陥る生徒は基本的に分からない問題を飛ばす操作が出来ません。
もしくは、分からない問題を飛ばすと出来ない問題が多くなりすぎてやる気をなくすという流れに嵌ってしまいます。
このような生徒の場合は、
ⅰ自習でやらせる内容をこちらがレベルを考えて設定をする
ⅱ授業などで分かる状態を作ってから解かせる
ⅲ出来ない問題が多い事は悪い事ではない、などの考えを染み込ませる
等をしなければいけません。
逆に、ここがしっかり出来れば、時間はかかりますがいずれ独りで自学自習をする事が出来るようになります。
より深刻なのは④のその他です。
この”その他”と設定した生徒は幾つかの要素を含んでいる生徒ですが、必ずしも共通する要素を持っているわけではないです。
そのため、その他という分類にしました。
ここに当てはまる生徒は以下のような特徴を複数個持っています。
A 指示されたにも関わらず、直ぐに手を動かさないor落書きなどに走る
B 人の話を目を見て聞けていない
C 時計を頻繁に見る
D 時間の感覚が鈍い
E ”はい”と返事だけはする
F 全く問題が出来ないわけではないのに問題を解かない
このような特徴を上げて改めて感じた事があります。
社会に出た時に、出来なければ”やばい”能力だという事です。
※この”やばい”は悪い意味で使っています。
『勉強が出来なくても良い』という言説を見かけます。
もちろん、それは否定はしません。
だけど、勉強が出来ない生徒は社会に出て要求される能力が欠落している可能性もある。
そのような能力を付けさせるために数学や英語や国語を使っているのだと考えなければいけない、と思っています。