彼女の精神状態は3年前と比べて非常に良くなってきた。
その理由の1つは、周りにいる人たちの性質が変わってきた事による環境の変化が大きい事だと思う。
彼女は中高一貫校に通っていたそうだ。
そこでは大学受験が当たり前で、大学に進学しない人はありえない、という価値観が圧倒的だった。
そのような学校にいて、色々なトラブルが重なり、彼女は大学に進学するのではなく専門学校に進学をした。
その時の価値観や負い目、進学して当たり前の学校なのに専門学校に進学してしまった自分は情けない、というものがあるそうだ。
そのような価値観は専門学校でも消える事がなく、そのまま体調を崩してしまった。
体調を崩していた時、周りに置いていかれる事に対する恐怖、自分が出来ない人間であることへの嫌悪感を強く訴えていた。
同級生のインスタを見ては落ち込み、インスタを消してはまた入れての繰り返しをしていた。
高校の友達からの誘いも専門学校に進学してからは、ほぼ無視をしている。
キラキラした大学生活を送っている友人達の姿が苦しいそうだ。
体調を崩してから1年から2年はそのような状況だった、
しかし、3年目から勤め始めたパート先がその価値観を和げる良い環境だった、
その職場は彼女の状態を理解してくれる先輩や店長がいた。
だから、融通を聞かせてもらったり相談にものってもらっていた
そして、彼女が高校生の時に周りにいた人たちとは違い過ぎる人達もいた。
人間として駄目人間が結構いたのだ。
仕事に遅刻してくる人や、一生懸命仕事をしない人。
彼女が高校生の時には全く見ない人種の人達がいて衝撃を受けていた。
頑張るのが当たり前の世界の世界の住人だったのに、頑張らない人が存在するのか!?と驚いていた。
この人達が、本当に彼女にとって良かった。
頑張らない人達は、やはり仕事では評価されない。
しかし、彼女は努力は出来る人間。一生懸命仕事をした。
家で愚痴をこぼす事もあるし、機嫌が悪い時は職場で黙っている事もあるそうだが。
でも、依頼された仕事はきっちりこなすし、目標も持って仕事をする。
そうすると、店長などから彼女は働きぶりを評価される。
その評価が彼女への自信に繋がっていったのだ。
今の職場に勤めてから以前のような、努力をしても報われない気持ちや、出来ない自分への悲しみや怒りが減った。
出来る事が増えた自身が彼女の考え方を柔らかくしていったのだと思う。
彼女の高校生の時は知らない。
専門学校の時しか知らないが、彼女は一生懸命だった。
だからもっと自信に持って良いと思っていた。
そこまで頑張れる人は少ない。
そんな姿を知っているから、崩れた彼女を見て悲しかった。
もっと自分を正当に評価して欲しかった。
だけど今、彼女は自身の能力や努力を正当に評価出来始めている。