『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか−10章−』を読んだ感想(最後)

久し振りの本の感想文だ。

本日、『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』を読み終わった。

この本を買ったのは恐らく1年近く前。

先延ばしをしてしまい、途中で読む事を挫折してしまったが、ブログを始めて習慣付けした結果、無事に読み終わった事に感無量な気持ちだ。

 

 

まだ7章も8章も9章も感想文を書いていない。

しかし、読み終わった達成感から10章から書いてしまっている。

まあ、それは多めに見て欲しいところだ。

 

この章は今までのようなアドバイスや科学的根拠に基づいた話があるわけではない。

この章で筆者が伝えたい事は、これまでの話を信じて実行してもらう事、ただそれだけだ。

それもそうだろう。知識を頭に詰め込んでも、それが行動に伴っただけでは頭でっかちの口だけ人間になってしまう。

そして、何も人生が変わらない人間になってしまうからだ。

 

 

さてさて、印象に残った箇所を纏めたいと思う。

前述した通り、特筆新しい知見などは全くない。

そのため印象に残った箇所も必然的に少ない。

しかし、それはこの章がつまらなかったというわけではない。

食後のデザートのように軽く余韻に浸れる章だと思う。

 

 

印象に残った箇所は2つある。

 

【1つ目:ワーキングカップルの人生バランス】

 

1つ目は文ではなく、舞台設定ならびにその人物達の物語だ。

共働きのカップルが仕事ばかりで悪循環に陥る中、自分達の行動を見つめ直して行動を少しずつ変えていく話を先延ばしの回避テクニックを交えて紡いでいる。

 

この2人のカップルの試行錯誤して状態を改善しようとする姿、旦那は最初は乗り気でない状態から奥さんの熱意に押されて渋々始める姿に自分の状況を重ねてしまった。

このような話し合いながら協力していく2人の姿が理想的な姿だと思い印象に残った。

 

旦那の奥さんからの提案を最初は否定的な立場で聞きながら渋々やろうとする姿は、他人事ではないと感じたし、共感をしてしまった。

同時に進めていくうちにのめり込んでいく姿は、先延ばしがちな男の姿を正確に表しているなと思った。

 

 

【2つ目】

自分の衝動的な部分を全面的に押し殺すのは、突き詰めて言えば、自己破壊的な行動だ。欲求は人生の原動力。それを無視するべきではない。現実離れした理想を追求して自分を角に締め付ければ、健康で幸せな人生は送れなくなる。適切なバランスが重要なのだ。

288ページより引用

 

 

 

なんだか宗教のような話にも聞こえる言葉である。

しかし、ほどほどにする事も大事である。非常にわかる。

 

ダラダラと過ごしてしまい、やるべき事を先延ばしにするのは健全ではないし間違いなく経歴に泥を塗ることになる。

一方で、無駄を徹底的に省き全てを切り詰めて物事を進める事もまた心の健全な状態を崩す可能性がある。

実際に、そうなった人を見てしまっているのだから。

 

だからこそ適切なバランス、という言葉には刺さるものがあった。

 

自分の衝動と向き合いながら上手に管理していかなければならないね。

 

 

以上がこの本の感想です。

まだ、書き終わっていない章がある。

そのため、この本の感想を書くのは憚れるが、まあ気にしないで。

 

今まで読んできた先延ばし克服本とは毛色が違った。

大学で研究を行った人による、科学的裏付けが取られたデータを元にした本である。

読みやすさは、前の2冊に比べて低かった。

しかし、読んだ時の満足感や得られた知識の量は遥かに高かった。

(前の2冊が不満足だった内容ではないです。)

 

だからこそブログで纏めると時は非常に長くなってしまった。

あまりにも印象深い事が多くあったからだ。

 

先延ばしで苦労している人、関係者が先延ばし癖があり苦労している人、人の動き方に興味がある人は、是非手に取って読んでみて欲しい。

それだけの価値がある一冊だと思います。

 

 

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