学術書によってきた本になっているので、読書のペースが落ちている。
読んでいて楽しい内容のため、遅い事は全く気にしていない。
だが、最初にこの本を読んでいたら嫌になっていた可能性が高い。
良い順番で本を読む事が出来たと思っている。
今日読んだページは93ページから108ページだ。
印象に残った箇所は4つだ。
【1つ目】
誘惑が近くにあると、先延ばしが非常に助長されやすい〜〜先延ばしを助長する第二の要素は、誘惑の強さだ。
96ページより引用
これは子供達を見ていて強く実感する事がある。
スマートフォンだ。
勉強をする時、スマートフォンは絶対に手元に置くなと口酸っぱく言っている。
塾で自習をする場合には、スマートフォンは一時的に預かるようにしているほど。
そうでもしないと、子供達は勉強中にも関わらずスマートフォンを触るからだ。
手元にあるという近さ、そして時間を潰す事が詰まっている誘惑の強さ。
勉強をする上で、これ程邪悪で邪魔な存在はない。
保護者は子供達が勉強をする時は、絶対にスマートフォンやタブレットを手元に置かせてはいけないです。
勉強に使うと言っても絶対に置かせない。これは徹底しないと地獄を見る事になる。
【2つ目】
動物はことごとく、ご褒美が不規則なタイミングで与えられて、しかもご褒美が与えられた瞬間にその恩恵を味わえる場合、そのご褒美を得るための行動にものめり込む。
96ページより引用
これはパチンコの原理と全く同じです。
だから、スマートフォンでも出来るソシャゲは本当に恐ろしい。
ギャンブルの要素も高く、なおかつスマートフォンという圧倒的魔力の詰まったもの。
こんなものを制限もかけずに子供達に持たせているのは、剥き身の包丁を持たせている事と同義だと声高に叫びたい程だ。
これは、塾の中だけでも周知させないといけないものです。
【3つ目】
一定量の作業を完了させるとご褒美を受け取れる状況は、「固定比率スケジュール」と呼ばれる。〜〜区切りとなる仕事量を処理したあとで休憩し、次の区切りが近づくと再び作業スピードが加速するのである。
98ページより引用
これは先延ばしとは全然関係ない。
人間は機械ではないので、一定間隔で仕事をこなす事は出来ないorしない、という事が科学的に証明されている事が面白かったのでメモしました。
【4つ目】
近代化にともない、先延ばしが深刻化したことだ。経済が成長するにつれて、過去数十年の間に、慢性的な先延ばし癖をもつ人が五倍に増えた。
99ページより引用
これはその通りだなと思う一方で、本当にそうなのかという疑問が浮かんだ。
先延ばし癖を持つ人が増えた、というよりは、潜在的な先延ばし癖を持つ人はいたが過去の社会ではそこまで先延ばしが問題にならなかった。
しかし経済成長が進み、先延ばしをしない事を強く要求される社会、何事においても時間通りであったり仕事をこなす速さを要求される社会になった事で問題が顕在化したのではないだろうか。
人間の能力が急激に変わる事はない。
それは進化論で説明された通りだ。本著でも述べられている。
変わったのは社会の方であり、人間の進化と社会の発展の速度が合っていない、という可能性が高いのではないだろうか??
これは明確な答えは出ない。
この社会に生きる上で先延ばし癖が致命的な欠点になる事は変わりはない。
だからこそ、先延ばしの克服の方法を考えなければいけないです。
ここまでが印象に残った箇所です。
今回読んだ箇所で印象に残った文言は以上だ。
しかし、後半に書かれている先延ばしを助長する誘惑の発展の話が興味深い。
テレビは非常に強力な誘惑となり、今までの時代の先延ばしの諸悪の根源として書かれている。
そして、それ以上に先延ばしの原因となりうる可能性があるものが挙げられている。
それは“インターネット”だ。
これは教育の場で、衝動性に駆られ欲望に弱い生き物、子供達を近くで見ているからこそ分かる。
間違いなくインターネットは非常に危険なものだ。
やはり、こことの付き合い方は考えなければ。
感想は以上です。