今回は先延ばしの話が薄めである。
先延ばしを誘発する誘惑(マーケティングなど)に関する話が多かったからだ。
しかし、これらも興味深い話であった。
子供達から誘惑の魔の手から守るために、マーケティングの原理を教えても良いのではと思うほどだ。
今日読んだページは109ページから130ページ。
印象に残った箇所は4つある。
【1つ目】
私たちは衝動に屈して買い物をするとき、安いお店をわざわざ探す努力をしないからだ。
109ページより引用
安いお店をわざわざ探すのは節約をしたい時くらいだろうか。
確かにお菓子を食べたいと思って、幾つもの店舗を梯子することは全くない。
安かったお店に行く事はあるが、それを比較検討するために労力を費やす事はほとんどの人がしないのではないだろうか。
むしろ、ちょっとしたご褒美だから、という言葉を免罪符にして多少値段が高くても買ってしまう事の方が多い。
【2つ目】
人々がある行動をとりやすい状況をつくり出したり、ある場面である行動を取るのが当たり前だと人々に思い込ませたりすることが、大きなビジネスになっている。
112ページより引用
頭で考えさせるのではなく、日々の習慣を利用する事で利益を拡大させるという事ですね。
習慣化しているものは、頭で考える事は全くしない。
それが良い習慣であろうが悪い習慣であろうが。
自分自身の生活に思い当たるものがないか探したが、パッと思いつく事が出来なかった。
これは、僕が勤勉で真面目な人間であるという事ではない。
抽象的な事柄と具体的な事柄を結びつける能力が低いからだ。
ここは改善をしていかなければ。
【3つ目】
「専制政治の台頭にたえず目を光らせ、それと戦おうとする合理主義者たちは、『飽くなきまでに娯楽を欲しがる人間の性質』を警戒することを忘れている」。〜〜自習市場では誘惑がますます強力になり、重要な目標を成し遂げることがいっそう難しくなる傾向があるのだ。
114ページより引用
これは、別の本に掲載されている内容を本著が引用し、それを僕が引用している、という入れ子構造みたいになっている。
知識人達が警鐘を鳴らしている、という事を表すために著者は引用をしている。
やはり、この成熟した資本主義の時代に先延ばしをせずに目標を達成する事は難しくなっていると感じている人は多いのだ。
裏を返せば、その先延ばし能力を抑制する事が出来れば、成功の度合いが大きくなるという事でもある。
【4つ目】
先延ばし癖のある学生・生徒のうち、平均以上の成績を取っている人は四割だけ。六割は平均以下だった。興奮な四割のグループに属している人も、先延ばし癖が自分の足を引っ張っていることはしっかり認識するべきだ。聡明な頭脳など、ほかの資質により、先延ばしのマイナスを補っているだけに過ぎない可能性が高いからだ。
124ページより引用
これは、そうだろうな、という考えである。つまり、なんとなく予想はついている結果だ。
しかし、裏付けされている結果がある事に意義があり、やはり先延ばしをしてしまう人達は成績が低くなりやすい、という事を証明している文章だ。
同時に、後半の部分が心に刺さった。
先延ばしをしない=成績が高い、ではないのだ。
成績が良い人達の中にも先延ばしをする人はいる。
そして、先延ばしは今後の仕事をしていく中で大きな影を落とす事になる。
だから、成績が良い事に甘んじていてはいけない。
むしろ、先延ばし癖があるにも関わらず成績が良い生徒は、より気を付けて行動を制御していかないと恐ろしい事態になりかねないのだ。
ここまでが感想です。
マーケティングの話は、とても興味深いものである。
特にSNSやソシャゲのマーケティングの原理は勉強をしないといけないと思う。
衝動性が高い子供達に、どこまでの悪影響を及ぼすのか計り知れないからね。