先週からコツコツ読んでいたビジネス書以外の本、
生き物はどのように土にかえるのか
大園享司著
ベレ出版
を本日読み終えた。
専門用語が連発されるような本ではなく、分かりやすい言葉や図表が多く挿入されており非常に読みやすい本であった。
自然界では動物や植物が常に生まれては死んでの繰り返しが行われているが、この地上が死体の山になるわけではない。
どこかで死骸は消費、分解されていくがその機構は僕達のような一般の人間には分からないことが多い。
そんな機構に疑問を持つ人が導入として読む本として、とても良い本なのではないかと思う。
この本は3つの章に分かれており、
1章:動物の分解のされ方
2章:植物の分解のされたか
3章:その他の色々な分解に関する知識
となっている。
どの章も興味深いなと思ったが、やはり1章の動物の分解のされ方は衝撃が強かった。
ここで紹介されていたのが哺乳類の分解のされ方であり、生々しく若干の嫌悪感を覚えた。
自分の死を顕著に感じてしまうからであろう。
しかし、同時に興味関心ごとが尽きないところでもある。
動物の分解にはどうやら昆虫の力が大いに関わっているようだ。
動物の死骸を虫が侵入できないようなメッシュの袋に包んで放置をしても分解があまり進まず数ヶ月放置しても原型を保っていた一方で、そのような袋で覆わなかったものは1週間で90%もの部分が分解されてしうそうです。
また、この分解には蠅のような生き物だけではなくシデムシやカツオブシムシなど、様々な種類の昆虫が関わっている。孤独死により、ハエがその部屋で大繁殖をしてしまうのも、自然界の中の営みの一部であるといことでもある。人間社会の中では特別なものに見えるが、自然に飛び出したら当たり前の景色の1つということかもしれません。
またこのハエの成長度合いが死後どれくらいの時間が経過しているかを表す指標になるという話はとても面白いと思いました。法医昆虫学と呼ばれるものだそうで、温度条件と蠅の成長度合いで経過している時間がわかるそうです。気温が高ければ成虫になるまでの日数は短くなり、気温が低ければその逆となる。そのため死後の経過時間を、昆虫の様子から測るという事が出来るそうです。
冒頭にも書いた通り、読みやすさを重視した本です。
自然科学系に少し興味のある人、中学生や高校生で生物が好きだな〜と思える人におすすめです。